やっと登れた米子沢
- 山行日時:1998/07/12(Sun)
- 山名:巻機山
- コース:清水〜米子沢〜巻機山〜井戸尾根〜清水
- メンバー:山田秀典、藤原、森田、大和
- 天候:曇り後雨、ガス
- 特別な装備:ロープ、ハーネス、カラビナ、シュリンゲ、ハンマー、ハーケン
本来、この日は劒岳に早月尾根から行く予定だったが、前々日に布施川が氾濫するほどの大雨が新川地方に降ったので、予定を急遽変更して、米子沢に行くことになった。
前日、11日(土)役場午後2時集合で、藤原さんの車で、六日町へ向かう。すべて下道を通って6時20分、登山口到着。到着するころから雨が降り出し、雨の中慌ててテントを設営する。
翌12日、午前4時起床の予定だったが、30分ほど遅れる。昨晩の残り物で簡単に朝食を済ませる。天気は一応晴れているが、結構ガスっている。米子沢を行くか、井戸尾根を行くか迷うが、心配した川の増水はないようなので、米子沢に決する。天気予報でも、次第に天気は回復するようなことを言っている。
午後6時出発。左岸の踏み後をたどり、堰堤をいくつか越え、伏流して水の流れていない河原を行く。30分ほどすると水が流れ出し、次第に水量が増してくる。あがるに連れて水量が増えるのは変な感じだ。
午前7時、最初の大きなナメを持つ滝が現れる。しばらく、フリクションを効かせて登るが、そのうちに右岸の高巻き道に入る。高巻き後も適当な滝が続く。ロープを使う練習をしようということになり、ハーネスをつける。私がトップで、途中立木でランニングビレイをとりながら、滝を一つ越える。2、3番手はプルージックで続き、ラストは私が上から確保して登る。みんな一応の手順は理解したようだ。
しばらく行くと、大きな高巻きに入る。草が生えているので、あまり高度感を感じないですむが、紅葉のころなんかだと結構恐いかもしれない。沢床へ戻る際、藤原さんが、草付きで足を滑らせ、危うく滝の落ち口へ滑り落ちそうになるが、みなで引きずりあげて事無きを得る。
巻き終えてすぐの滝は登れそうにみえたが、みなはすでに高巻きの体制に入っている。しょうがないので、私が先頭を切って高巻きに入るが、踏み跡らしきものが無く、薮もひどい。やはり登るしかないと考え、一度上に偵察を出したが、戻らせて、川床に戻る。案の定滝の左側に弱点があり、容易に越えることが出来た。しばらく行くと、又少し手強そうな滝が現れた。右壁が弱点だ。よく見ると残置ハーケンが一本残っている。ここもロープを出していくことにする。私がトップで、まず2段ほど登り、残置ハーケンに手がかかるテラスまで登る。このハーケンには、シュリンゲがじかにかかっており、どうもこれをアブミ代わりに登ったようだ。私も、そうしようかと考えたが、他に手はないかと残置ハーケンに掴まって上のほうを覗いていると、いきなり滑落した。とっさに身を反転させてザックを背に2メートルほど滑り落ちたが、幸いにも怪我はなかったし、精神的なダメージもない。見ると、腰のロープに見事に抜けたハーケンがぶら下がっている。何の抵抗もなく抜けたので、可笑しくなってきた。
再度、登りかえし、抜けたハーケンのリスをまじまじと見てみる。なんか開いているような感じだった。同じリスのもう少し下に再度抜けたハーケンを打ち込む。あっさり入っていく。これもアテにならない感じだ。アブミ代わりにすることは考えずにフリーで越えることにする。どうせ後続はロープに掴まればいいと思い、少しきわどいバランスだったが、どうにか越える。はいあがった先はホールドが乏しかったので、アイスハンマーを草付きに打ち込む。すぐ上に立ち木があったので、それにセルフをとろうとおもったが、もう少し先にさらによさそうに思えるところがあったので、そこまで登る。途中、ランニングは例のハーケン一本だけなので、後から考えると、恐いものがある。後続は、ロープを頼りに上がってきた。
ここから先は、延々と続くナメである。結構傾斜がきつく、滑ったらタダではすみそうにない。一歩一歩、気を入れて進む。傾斜がきついので、歩くのもエライ。やがて、水流は細くなり、沢が二又に別れる。左の沢に入る。非難小屋の前に出る予定だが、なかなかでない。そのうち、沢はいつの間にかなくなり、草原のようなところに出る。ニッコウキスゲが咲いていた。草原を進むと、登山道に出た。近くを通りかかったハイカーに聞くと、非難小屋よりも頂上よりだという。天気が悪いので、頂上にはまったく未練が無く、即、小屋を目指して下山にかかる。12時すぎに小屋に到着。小屋は、悪天候にもかかわらず、結構な人で賑わっていた。さすがは、百名山といったところか。
1時間ほど、休憩し、本降りになりひどいぬかるみになった井戸尾根を飛ばして降りる。1時間半ほどで、登山口に戻った。地酒「巻機」で、無事を祝って乾杯。
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