遭難救助訓練@初雪山
- 実施日
- 2001年4月7日(土)〜8日(日)
- 参加者
- 谷口(ツボ足)、谷(山スキー)、清水(山スキー)、大和(テレマーク)以上朝日岳方面遭対協
- 古崎、坂本(富山県警山岳警備隊、山スキー)
- 田辺(黒部市民病院、山スキー)
- 天候
- 7、8日ともに晴れ
朝日町役場に集合し、商工観光課長の激励を受けて出発。
大平小学校先の発電所まで車ではいる。ここより林道をシートラーゲンして歩いてゆく。午前8時45分出発。林道は、ところどころアスファルトが露出しているが、おおむね雪に覆われている。途中、まっくらなトンネルをヘッドランプの灯を頼りに通過。
境川第2発電所を過ぎると、一気に谷が狭まり積雪も増える。林道はデブリで斜めになっており、下はゴルジュ状の谷で落ちるとタダではすまない。2時間程度で、寝入谷出会い到着。ここから尾根に取りついてもいいのだが、急傾斜のため先に進んで川黒谷出合い左岸の尾根に取り付いた方がよいとされているため、さらに先へ進む。しかし、数百メートル進んだ時点で、林道の状態が悪いため、寝入谷の出合いまで戻ることとする。林道のアプローチが今山行中最も危険な箇所であった。
急斜面のひと登りののち、細い尾根に付く。尾根上には雪はなかった。途中まで切り開きがあったが、それもなくなり薮がひどい。左斜面をからめて薮を除けるようにして先へ進む。
次第に尾根は広くなり、傾斜もゆるんできたので、シール登行に切り替える。静かなブナの疎林で歩いていても気持ちがよい。
標高900mを過ぎた辺りで、手頃な幕営地があったのでテント設営。7名と人数が多いので、テントは2張り設営した。
夕方まで、天場付近で訓練を行う。雪上歩行の仕方から、アンカーの設置方法ならびに、コンテニュアスやスタカットでの行動を練習する。
夜は、シャブシャブで大いに盛り上がり就寝。
明けて8日、ゆっくり起床し7時40分に山頂目指して出発。初めは疎林帯を行くが次第に木がなくなり、見晴らしもよくなる。1200mあたりから白鳥山方面の景観もよく見えるようになってきた。目の前には無木立の大斜面が広がり、気持ちよい。雪の状態がよければ、この斜面を左にトラバースして回り込むようにして山頂に立つのが通常のルートらしいが、今回、すでに山頂付近から雪崩始めているので、まっすぐ進み、右から山頂を目指す。次第に傾斜が増してくるが、斜登行を交えて稜線までシールで登りきる。
一気に富山平野側の視界が広がった。稜線上は薮が出ているために、スキーを外す。半数の者はここでスキーをデポしたが、3人はしつこくシートラーゲンしている。ひと登りで、山頂平原に到達した。どこが山頂かわからない山だが、奥に北電の雨量計の鉄塔が立っているので、一応そこを目指す。
雨量計まで来ると、朝日岳方面の視界が広がった。あれが、黒岩谷で、あれが黒岩平だと、地形の確認を楽しむ。
山頂では、記念撮影をしたりしてゆっくりと山頂を楽しむ。あとは、一気に滑り降りるだけだ。ここまでスキーを持ち上げた者は、左から薮を除けるようにして下ってゆく。途中デポした者はそこまで歩いて、スキーを装着、この日一番の急斜面に飛び込む。よい天気にあぶられて雪はすっかり腐って重く、回しにくいことこの上なかったが、逆にころんでも下まで滑落することはなかった。
一番の急斜面を滑り降りたところで、全員合流。次第に重い雪にも慣れて、快適に下ってゆく。今回、私は初めてカービングスキーを使用してみたが、これまでのトップ72mm細板テレマークスキーに比べて、だいぶ容易にターンすることが確認できた。
下る途中、日帰りで上がってきた富山労山のパーティとすれ違う。
天場に戻ると、昼食後テント撤収。来た時よりは軽くなったとはいえ、それでも重荷を担いでの滑走は大変だ。転倒すると置き上がるのに体力の消耗が激しいので、極力転ばないスキーを心がける。薮が濃くなってきたところで、シートラーゲンしてツボ足で下る。
林道に下り立つ地点では、カモシカが出迎えてくれた。ところが、このカモシカ、我々がよほど近くまで近づかないと逃げなかったため、いざ逃げようとしたときには、自ら崖っぷちに追い込まれてしまい、身動きできなくなってしまった。川まで落ちればただではすまないのでだいぶ困っている様子である。われわれは、極力知らんふりをしてやり過ごしてやった。(^^;
また危険な林道をシートラーゲンして歩き、1時間半ほどかかって車まで戻った。
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