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春の大日岳

早乙女岳から大日岳を見る
■ 山行日時     :1996/05/03〜04
■ 山名         :大日岳
■ コース       :小又川〜コット谷〜早乙女岳〜大日岳 
■ メンバー     :善田、大和、(坂本秀) 
■ 天候         :晴れ 

朝7時に自宅を出発する。高速代をけちって下道を行くが、割合とスムーズに車は進む。8時過ぎに早月川の支流で、馬場島の下流1kmにある小又川に到着する。小又川出合いはたくさんの車が停まっており、駐車スペースにも困るくらいだ。早速身仕度を整えて出発する。出合いで、朝食を広げているパーティーがいたので、予定を訊ねると、私達と同じく、大日岳まで行くが、本日は早乙女岳泊まりだという。天気は快晴に近くとても気持ちがいい。午前8時20分出発する。

コット谷出合いに続く林道はまだ雪が多く、とても通れそうにない。道が雪崩で埋まって斜めになっているのだ。素直に小又川沿いに行くことにする。第1の堰堤はコンクリのプラント横から簡単に巻く。堰堤を越えると、左岸から右岸に橋が架かっているが、左岸からそのまま越えれそうにみえたので、橋を渡らずに行く。確かに、左岸から越えることはできたのだが、その先が続かない。仕方なく橋まで戻り、右岸の林道沿いに第2の堰堤を越える。小さい沢を徒渉して先を急ぐ。スノーブリッジで左岸にわたり第3の堰堤を越える。その上も先へは進めず、いよいよ靴を脱いで徒渉かと思われたが、先行する大パーティーが左岸から高巻きしているのを見つけて、それに続くことにする。

最初はデブリの上を、少し登って樹林帯へ入り、高度を上げる。大パーティーが先行しているので、ステップはばっちりだ。結局林道まで上がりそのまま林道沿いに進む。いつしか林道はコット谷の出合いに着いていた。小又川の本流を離れ、コット谷へと進路をとる。コット谷は初心者用のスキーゲレンデのような傾斜で幅も広く、立ち木もまばらなまま、ずっと先まで続いている。まさしくスキーに最適なところだ。ここなら私の下手なスキー技術でも大丈夫そうだ。スキーを持ってこなかったことが少し悔やまれる。それでもコット谷までのアプローチを考えると善し悪しではあるが、、、。

少し先で、一服している先行パーティーに追い付いた。10人ほどの中高年パーティーだ。日帰りで早乙女岳まで行くと言う。私達も一本立てることにする。

コット谷を登る

歩き出して、水を汲んでおけばよかったと思い立つが、もう雪渓は厚く、水音は少しもしない。そのうち何処かにあるだろうと先へ進むと、案の定、横から水音がして、小さな沢が流れ込んでいた。ここでのどを潤し、水筒も水でいっぱいにする。目指すコルは先のほうに見えているが、こういう場合、なかなか着かないのが世の習いである。コルまで行って、コーヒーでも煎れようと言っていたのだが、早くもシャリバテ気味の私は途中でもいいからと、一服入れてと善田さんにお願いする。振り返る東芦見尾根は素晴らしく、気分は最高である。先行するパーティーはコル直下の急斜面(というほどでもないが、)で苦戦しているらしく見ていてもさっぱり進まない。だいぶ疲れがきているようだ。ほんの目と鼻の先なのだが、、、。元気を回復した私達も先へ進むことにする。

意外とコル直下の急斜面は調子良く進むことができる。やはりたいした事はないのかと思っていたが、次第に足が重くなってくる。それでもじきにコルの上にはいあがることができた。コルのすぐ先では、先行パーティーが3m程の雪壁に難儀している。全然たいした事なさそうなのだが、オバサンたちは、なかなかに賑やかだ。渋滞を待って私達も出発する。せっかくピッケルを持ってきたので、ピッケルを出してくだんの雪壁に挑む。まったくたいした事はない。

薬師岳と弥陀ヶ原

ここから先の尾根は、コット谷よりもやや傾斜が増して、いよいよスキーには快適そうだ。先行の大パーティーも疲れてきたとみえて、次第に一人、又一人とパーティーから遅れるものが出てきた。日帰りの時間切れまであとわずからしく、みなで相談している。結局時間まで頑張るらしく、先を急ぐ。ここら辺りの尾根からはすでに早乙女岳らしき姿が見えているのだが、目の前にみえているのがそうなのか、あるいはその先にあるのか分からない。そこまで行ってみると、ひどく広々としたところに出た。どうやらここが早乙女岳らしい。それにしても頂上らしくないピークだ。目の前には大日岳の勇姿が、その左奥には劒岳の威容が聳え立っている。午後2時である。より劒岳の姿がよく見えるところを探して、テントを張ることにする。何せ今回のテーマは、「残照の劒岳」なのだから。

なるべく尾根の左縁によりたいのだが、左側には雪庇が張り出しているので不用意に近づけない。適当なところで妥協して、ピッケルで雪を削りテントを張る。

お茶を沸かしていれたりなんだかんだとやるが、まだ日が高く「残照の劒岳」にはまだ時間がある。少し昼寝をして、早めの夕食とする。相変わらずメニューはモツ煮である。

変な雲

夕刻になったが、雲が出てきて、「残照の劒岳」はみれなかった。それでも、薬師岳方面はなかなかであったし、山女魚のパーマークのような雲を撮影することができた。酒が入ったせいでまた眠くなってきた。余り早く寝ると夜中に目が覚めてしまうので、起きていようと思うのだが、どうにも眠く、結局7時半頃には寝てしまった。

午前2時頃、小用でおきる。月が出ていてとても明るく、ヘッドランプ無しで登山できそうな感じである。それも楽しそうだが、結局又寝た。

朝7時半頃、一人の登山者が大日岳目指して、私達のテントの前を通っていった。私達も朝食を済ませて、7時50分出発した。さほど必要とも思われなかっかたが、せっかく持ってきたのでアイゼンをつけて出る。善田さんは少し風邪気味で、一寸調子が悪そうだ。それでも着実に上がっていく。頂上直下のコルのようなところで熊の足跡を発見する。辺りは這い松が少々あるだけで、一面の雪なのだが、、、。少し行くと、先行の登山者が降りてきた。少し先の這い松に雷鳥がいるという。期待していくとやはりいた。夏場ではとても近寄れない距離までよって撮影する。

大日岳山頂から劒岳を望む

午前9時大日岳の頂上に到着。頂上は標柱が出ていたが、標柱のあるところより高いところがある。北側にはそれだけ雪が積もっているのだ。劒岳の姿はあまり天気が好くないのでもう一つであったが、それでもお互いに記念撮影をする。少し先のほうへ行ってみると、大日小屋が半分雪に埋まってみえた。営業しているようだ。登山者が奥大日岳方向へ歩いていくのが見えた。

下山は早い。あっという間にテント場のそばまでくると、下からスキーをはいた登山者が一人上がってくる。よく見ると富山登攀クラブの会員で、すみれの会会長の坂本さんではないか。聞けば朝5時に小又川の出合いを出てきたそうだ。素晴らしいスピードに感心する。もう少し出発が遅かったら日帰りの人に追い越されるところだった。頂上を目指す坂本さんを見送り、テント場に戻る。風が出てきて天気は悪化の傾向だ。手早くテントをたたみ、下山の準備をする。準備が終わるころ風邪はやみ、お茶を煎れて坂本さんを待つことにする。しばらくすると華麗な滑りで坂本さんが降りてきた。110cmあまりの短い板で、うまいものだ。3人でお茶をのみ、午前10時30分下山することにする。坂本さんは疲れたので、もう少しやすんでから行くと言う。どうせじきに追い抜かれるので、徒歩組の私達は先に行く。

スキーで登ってくる坂本氏

ところどころ尻セードを交えて快適に下る。案の定、坂本さんはじきに追い付いた。1時間もかからずにコルに着いた。コルからの急斜面は最高の尻セードができた。200m位いっきに滑ったのではないだろうか。途中の水場でお茶を煎れたりしながら、さらに下る。コット谷の出合いから先も行きと同じルートで下る。何と坂本さんは行きに林道を通して来たそうだ。結局、小又川出合いに着いたのは、午後1時であった。


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