風の便り 6月号

 みなさん、こんにちは。
 ちょっと発行が遅れましたが、6月の風のたよりをお届けします。

 

子ども遊びのリーダー、企画のススメ

わんぱく遊びサークルに参加

 朝日町の教育委員会からはすっかり便利屋集団となってきた「風呂式」。
 今回も「わんぱく遊びサークル」の野山探検の依頼を受けた。企画に悩む。

 仕事がら、子どもの行事を企画することは多い。宿泊学習であれば、2度、3度そのフィールドに足を運ぶし、渉外を含めた細部まで、緊張感が続く。幸運にも、若いときから、自分で企画して現地の指揮を執る機会に恵まれていた。ただ、いつも少し年齢が上の先輩が、細かな修正や気配りをしてくれていた。今の学校では、スタッフに恵まれて、「俺がやらなきゃ、できない。」ということはない。自分で判断しで、自分で動ける自立した人々に囲まれている。

 今回の企画の話を頂いたとき、僕自身、完全に企画・渉外に徹しようと思った。僕が、今までしてもらってきたように、少し年上になってみようと思った。現場の子どもを指導するのは、忍さんや久さん、村上さん、水口さんらの顔が浮かんだ。子どもの前でリーダーをやっていけるような若い人が風呂式には、けっこういる。忍さんや久さんは、クロスカントリースキー教室でも経験済みだが、子どもへの当たりがすごくいい。村上さんは、昆虫博士で、子どもをひきつける専門的知識と危機回避能力に長けている。水口さんは、昨年の「わんぱく遊びサークル」で講師として活躍済みである。当日は、あいにく、久さんは仕事で来れなくなったが、事前に都合が悪くなったというメールが入っていた。しっかりしている。企画する側からすると、当日の突然の欠席というのが一番辛い。社会では、無断欠席というのが結構あるものだ。

 さて、わんぱく遊びサークル。代表の挨拶で始まった。「我々、風呂式は、大人のわんぱく遊びサークルのようなものです。」なんと、わかりやすい。一言で、子どもたちをつかんだ。そして、内容もこれだけのことはなかなかできまいという展開だった。忍さん、村上さんは、やはりたいしたもの。うまい。そして、食事や雑用をこなしてくれた車屋さん、この方は少し危ない不安定な少年にぴったり寄り添ってくださった(子どもっていろいろです)。毛針や釣りは、大坂代表をはじめプロ揃い、壁登り(人工壁クライミング)は大和氏がいる。子どもと直接触れ合うリーダー、裏方、専門家、それぞれのスタッフが創りあげてくれた贅沢な教室であった。

 ただ、やっぱりたいへんなのである。それぞれが数日かかって、下見や準備を重ねている。風呂式ジュニアの活動を増やしていきたいところであるが、毎回、これだけのスタッフが動いてくれないと、危険も伴いできない。

 実は、ジュニアクロスカントリー教室一つとっても、荷物の運搬や準備など想像を絶するものがある。風呂式の活動の多くは、企画や運営、広報の発送など大和氏、本村氏の労力によるところが多い。我々はおかげ様で、おいしいところだけ味わうことができる。

 ジュニア部長としては、最近、朝日町に偏っているジュニア活動を、宇奈月、入善町、黒部、魚津と、会員の住む市町村へ広げていきたいと思うのです。会員は、実は朝日町の人って少ないんですよね。 そのためにはやりたい人が、 「やりたい!」と手をあげられるのがいいと思うのです。ぜひ、子どもにかかわる企画をしてください。そういう動きをサポートしてくれるのが風呂式であって、風呂式ジュニアなのです。

 僕らには、児童クラブや地域のレクレーション団体よりも、ひょっとしたら学校よりも子どもたちを育てる力と、もっと気楽にやれる遊び心があるのですから。

内山真之

昆虫採集

 自分は今回、昆虫採集の部を担当した。
 この話が来た際、正直言ってかなり不安であった。本当の虫屋と違い、昆虫の世界の「さわり」程度の知識しかない自分が子供たちを相手にどの程度までやれるのかということと、どの程度の昆虫が採集できてそれによってどの程度の子供たちの反応があるかということである。

 子供たちは小学校低学年で生活科の授業において秋の昆虫さがし等である程度昆虫について学習してきている、さらに3年生になると昆虫についてその構造、生態等についてより多く学習することとなる。

 しかしながら、現代の子供たちの多くはチョウ・トンボ・カブトムシ・バッタなど、授業で取り上げられるような、大型の特定の昆虫についての知識・興味はあるものの、昆虫の種類の多くを占めるその他の小型の昆虫等についてはあまり関心を示さない。これは大人についても同様であろう。したがって、今回の昆虫採集にあたっては、子供たちが日頃採集しないような場所や昆虫を採集・観察することによって、昆虫の世界の広さや奥深さを知ってもらうことを自分なりの主題とした。

 まず、午前中の川歩きにおいて水棲昆虫の採集・観察を同時に行った。採集にあたっては一見何もいないように見える川の中に、いかに多くの昆虫が棲んでいるかということを気づかせるよう腐心した。採集方法としては、まず川の中の石をめくって見せて、その裏についている昆虫を採集することから始めた。

 最初はおっかなびっくりで石をめくっていた子供たちだったが、次々と虫が手に入り出すと、積極的に採集するようになった。

 また、子供たちの中には数種類のカゲロウ類の幼虫を採集することができた者もいたが、これが全て違う種類の昆虫であることに気づくとさらに関心を持ってくれたようだった。

 採集地点ではカゲロウ類、トビケラ類、カワゲラ類、半翅類等、多くの水棲昆虫を採集する事ができた。

 特にヒゲナガカワトビケラにおいては幼虫及び蛹を採集することができ、チョウやカブトムシのような不完全変態の昆虫であることに気づいたと思う。ただ、残念ながら成虫を採集することができなかったため、こうした川の中の幼虫と、川べりに棲む成虫との繋がりを子供たちに意識させることができなかったのは今後の課題といえる。

 午後からは3グループに分かれて昆虫採集・魚釣り・壁登りの活動をそれぞれ行った。昆虫採集では夢創塾周辺の植物相からみても、あまり多くの昆虫が採集できるとは思わなかったが、それでも採集を始めてみると鱗翅類(蝶・蛾)、鞘翅類(甲虫)、カゲロウ類、トンボ類、カマキリ類、直翅類(バッタ)、半翅類、双翅類(ハエ)、膜翅類(ハチ)等の昆虫を採集・観察することができた。

 子供たちは1人1本ずつ、捕虫網を手にして、蝶やトンボを探して空中を探していたが、天候や時期、それに植物相の関係もあってあまり確認することができず、最初は途方に暮れていた。そこで自分が付近の植生の表面を網を振って採集するスウィープ法で採集し、数多くの昆虫を採集できることを示すと、真似をして網を振るようになり、多くの昆虫を採集することができた。さらに小さくて動きの早い昆虫については吸虫管を使って採集し、それをルーペを使って観察したことで、小昆虫の存在やその種類の多さに気付くことができたと思う。大型の昆虫が捕れなかったことが、逆にそうした昆虫の採集に時間をとられることなく、多くの昆虫を採集・観察できたのだと思う。

 しかし、当日はあまりの好天のため、採集地点の気温がかなり高く、子供たちの集中力が続かず、バテていた様だったのと、「大物」がとれないことで、今一つ子供たちの「ノリ」が良くなかったようである。それでも、吸虫管をのぞき込む表情や、虫が採れる度にあがる歓声に、どうにか当初のねらいに達することができたのではないかと思った。

(村上博徳 )

リーダー体験

 5月23日(土)に朝日町教育委員会主催、小学校3、4年生対象のわんぱく遊びサークル「春の川・里山で遊ぼう!」という活動が風呂式運営のもと小川・蛭谷の夢創塾周辺で行われた。内容は題の如く、又風呂式の得意分野でもある、川を歩き水生昆虫を見付ける、フライを作ってのイワナ釣り、昆虫採集、フリークライミング等である。得意と言っても自分たちが遊び、楽しむレベルであり、子供たちに伝えるとなると先生以外は素人、さらに、自分にとっては教えれるほどの得意分野がある訳でもなく、さぁどうしよう、、、とりあえず当日モタモタにならぬよう、そして子供たちには、興味を持って楽しんでもらう為にも、前もって指導担当を分担し、打ち合わせをした。心配していた分担も「全体進行」というステキなポストが用意されていた。

 さて、どう進行していけばいいものやら・・・。ま、少なくとも上手く進めたり、教えたり出来ないんだから、何が出来るか考えてみた。

 今の子供はどれだけ自然とふれあっているのだろう、自分の子供の頃を思い起こせば、外ではよく遊んだものの、自然とのふれあいはどうだったやら。子供の足で行ける距離や、あそこは危ないから行くなとか、活動範囲が意外に少なく限られていたかも、まして今の子供たちは何かと選択種も多くナチュラルな遊びなんて構っていられないんだろうナ。ただ、きっと嫌いなわけではなく、遊ぶきっかけや環境が少なくなったのだろう。それならこういう場で、思う存分楽しんでもらいたい。そして、あれはダメ、これはダメ。っていうのはナシで、興味をそそるようなアドバイスやアシストが出来ればいいな、と思った。

 いよいよ当日、心配していた天気も良く、あとは進行の心配だけ。20人くらいの子供たちの前で、ぎこちない進行をごまかしながら、何をするか簡単に説明したあとは早々に3グループに分かれ、各々の担当者にお任せした。初めは子供たちが興味を持ってくれるのか心配していたが、逆に好奇心旺盛にチャレンジしたり、聞いてきたり、子供には遊びなら何でもありで、楽しめる。っていうことがつくゞわかった。又、グループ分けをしたことにより、少人数を目を離さずにみれ、コミュニケーションもとりやすく、そんな流れで一日を楽しく、無事に過ごし、とても良い経験が出来た。。

 子供たちはどのように受け止めてくれたか、ちょっと気になるものの、それぞれいろんなとらえ方があると思う。この日に行ったことをそのまま趣味として持ってもらわなくとも、自然との接し方や、楽しみ方をこれからもずっと忘れずに持ち続けてもらいたい。

 最後に、一日夢想塾を貸していただいたうえ、炭の出し入れ体験をさせていただいた長崎さん、ありがとうございました。なによりも、解散した後に入れさせてもらった露天風呂がとても爽快で気持ちよかったです。

(能登忍)

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