風の便り12月号

1998年最後の風のたよりをお届けします。

企画中止の相次いだ11月に続いて、積雪不良のために企画の変更がありました。どうも、自然相手に見通しを立てることの難しさを勉強させてもらっているようです。

さて、いよいよスキーシーズンが始まりました。先月末のトレッキング企画がスキーに変更になったのを皮切りに、栂池、妙高関温泉とスキー場を中心とした企画が続いています。いずれも、当初の目的地とは異なりましたが、直前までの情報収集から何とか企画の実施にこぎつけました。

@1998年11月22日(日)シーサイドスノートレッキング

当初、白鳥山へのトレッキングが予定されていましたが、シーサイドスキー場付近でのスノートレッキングになりました。
思いも寄らぬ早い雪で、11月下旬からのスキーシーズンと色めき立ったのですが、その後雪が降らず、このときの企画が実に奇妙な感じにさえなっていますね。

@1998年11月29日(日)朝日町生涯学習フェスティバル

いろんな経緯から、山川野遊び風呂式のブースを提供することになった。準備の段階から、結構厄介だった。パネルを作成したり、必要品を整えたりと、意外に繁雑な作業。学校の勤務の合間にちょこちょこと揃えていくのだが、体験参加者の様子がつかめないのでどうにもうまくいかない。

当日は、スキーやらフライの道具やらビデオやら割に多彩であった。生涯学習と言いながら、僕らの遊びは山や川に行って輝くものなので、少なくともサンリーナの床には似合わない。それでも、わんぱく遊びサークルで教えてもらったのでまたやってみたいという子供たちが何人か来た。あらかじめ大量に作っておいた毛針をあげると少しだけでも喜んでもらったようだ。彼らの目の輝きが僕らの財産かもしれない。

こうした活動が、いったい何につながるのかは正直よくわからない。しかし、わいわいやっている時間そのものは楽しかった。こういうフェスティバルへの要請があったら、また検討しましょう。できれば、野外のブースがいいですね。

今年クロカン教室がないとわかってがっかりした子供がいた。同時に、クロカンがあるのでわんぱく遊びサークルに加わったと話した子供があった。このあたりに、何か支えになるものを感じている。

スタッフとして協力してくださったみなさんには、昼食代がでましたので、朝日町某所で飲み食いをしました。

(本村雅宏)

@1998年12月6日(日)栂池自然園スノーツアー

「6時朝日町役場を出発、ってことは5時に起きようか、」寝坊助が自然と早く起きれる季節がやってきた。いよいよ、待ちに待ったスノー・シーズンの到来。山間部では11月末に思いよりも多く積もり、18年周期の大雪を予感させる。おかげで、先々週のトレッキング企画がスキー・ツァーへと変わり、今回が企画第二弾となった。前回参加できなかった自分には今回が初滑り、この待ち遠しかった気持ちが今にも爆発しそうと集合場所へと向かった。

参加者は坂本さんをはじめ、スノー・ツァーならではの顔馴染みが集まり、シーズンが来たことを一層掻き立ててくれる。意外にも本村さん、池田さんとは遠征ツァーでは初顔合わせである。テレマーカー8名、スノーボーダー1名の総勢9名で僕のエスティマと、池田さんのリベロに分乗し、一路白馬方面へと向かった。

行き先は、先月の風の便りでは妙高・笹ヶ峰牧場と予定していたが、昨今メーリングリストにより、企画内容や情報などの充実した話し合いができ、栂池高原スキー場上部へと決まり、クロカンツーリングを楽しみたい方は、自然園方面へ、滑降を楽しみたい方は、天狗原方面へ行くこととなった。

僕は滑りたい病にかかっているので、もちろん天狗原を目指す気でおり、板もアルペン、ケーブルとシールを選択した。これが登りでは重く仇となり、ただでさえ登りの苦手な僕には二重のハンディとなり、他の人たちのステップソール、3ピンの軽快さがたまらなく羨ましい。でもそれ以上に思っていたのが久君であろう、スノーシューによるハイクアップは予想以上に困難のようであった。ゴンドラから降り、栂の森ゲレンデ沿い林道を小一時間かけ登ったものの、せめてここまでリフトに乗れば良かったと後悔する。これがまだ自然園まで目指す入り口にしか過ぎないと思うと、その向こうに在る天狗原なんて・・・先が思いやられる。

シーズン始めの為雪もまだ少なく、ショートカットが出来ず延々林道を歩く長旅となり、予定以上に2時間半余りもかかって、ようやくロープウェイの終着駅に到達した。もうこの時点でバテバテで、時間的にも、天候においても、天狗原を目指すにはなかなか困難であったので今回は天狗原はロケーションを確認し、栂池自然園の入り口にあるビジターセンター付近で昼食をとる事にした。当初分散する予定だったので、鍋は準備しておらず、各々の食事となった。勿論、坂本さんのあやしい酒と野沢菜も、出していただいた。今ではこれを楽しみにしている人も多く、いつもながらの事ですが、ありがとうございます。

天気も次第に風が強くなるにつれ、冷え込んできたので、食事後自然園入り口でちょっと遊んで、早々に降りることにした。やっと滑れる、と思ったものの、思い起こせばダンダラな林道、下りでもショートカットはできそうになく、滑るというよりも勢いを殺さず駆け降りることだろう、スキーもスノーボードもなかなか滑らなくて難儀だった。ここはダブルキャンバーが美味しい。板の選択ミスに悔やむものの、それもまたテレマークならではの、いろんな味わい方が出来る事が言えると思う。ようやく栂の森ゲレンデに入り、生かせ切れなかった板をここぞとばかりにガンガン行こうと思ったが、気持ちとは裏腹にバラバラ滑りで全く調子がとれず、あッと言う間に栂の森ゲレンデは終わってしまった。レストハウス横で休憩をとり、そこで池田さんの短いアドベンチャーという板を履かせてもらうと、これがまた軽くて面白い。

休憩後、榛の木コースに入ると、やたらとボーダーが多い。全体の7割ぐらいはボーダーではないだろうか、時代は変わったのだと感じさせられながらも、少ない隙間をコブと、アイスバーンと人混みに弱いテレマーカーが必死に駆け降りる。間もなくコースは閉鎖。パトロールに事情を話して「何があっても責任は負えませんヨ」と言われながら渋々林道を通してもらう。また、この林道はやたらと長い。僕と久君は耐え切れず、途中からパトロールの目を盗み、ゲレンデをショートカットした。最初は斜度がキツく、雪質も悪かったので、ターン毎に転びまくっていたが、下へ行くに連れ慣れ、斜度も緩くなり気持ち良く滑らせてもらった。久君もようやく満足に滑れたことであろう。他のみんなは、長い、長い林道をひたすら漕ぎ滑っていったのであろうか。駐車場で合流すると、みんなクタクタな疲労感と満足感、そしてもどかしさが滲み出ていた。きっと、これから始まるシーズンへの良い手応えがあった1日で終えられたと思う。

今回は雪が少なく林道沿いに登ったため時間が掛かったけれど、雪が積もればショートカットもでき、天狗原を目指すことや、栂池自然園でのクロスカントリースキーなど、充実な企画が計れる事と思う。ぜひ、リターンマッチを行いたい。

栂池を後にして帰路。恒例の温泉は何処へ行こうか、と言うことに、大和さんから聞いていた来馬(くるま)温泉へ行ってみる事にした。手打ちそばがあり、食べたかったが2時までで、今回は残念、お預け。でも、温泉が¥300とは安い。やけに暖まり、なかなかイイ風呂だった。

程良い満足感と、次への期待感、23日の練習会が楽しみと話し解散。こうして、僕のシーズンは始まった。

(テレマーク部長 能登忍)

@1998年12月5日(土)三峯荷揚げ

大日本三峯テレマキア大会と新年会の準備のため、三峯に荷揚げをしました。ビール(正確な言い方では発泡酒)とお酒、それに、灯油を揚げました。現地で気付いたのですが、ストーブが撤去されていて、使用不能でした。そこで、年末に、能登久さんのご厚意でストーブも荷揚げすることになりました。

今のところ心配は積雪です。この日にも全く雪はありませんでした。道路工事のためにぬかるんだ道路が妙に悲しく思えました。

大日本三峯テレマキア大会は、1月16日午後スタートです。詳しくは、1月の山川野遊びをごらんください。

(編集部)

風呂式メーリングリストからの転載です

@1998年12月19日(土)シャルマン火打下見

みなさん、こんにちは。
 19日午後、シャルマン火打へテレマーク部長の忍さんと下見に行きました。
 積雪がなく、滑走は無理じゃないかという情報がありましたが、少しでも滑走
できればと思い、ツアーのレースというシングルキャンバーの板を持っていきま
した。
 アクセス道路は、驚くほど整備されていましたが、それでも数カ所に交互通行
があります。若いお兄さんやお姉さんが立っていて、交通整理をしています。混
雑時期には大変だろうと思います。何より道路幅が狭いので、それだけでも結構
辛いものです。しかし、10月からここまでの整備の進展にこのスキー場にかけ
る思いが伝わりました。
 泊から下道(一般国道)で1時間20分というところでしょうか。白馬へアク
セスしてもそんなに変わらないなという印象です。ゲレンデに魅力があれば、集
客力はあるのでしょうが。
 駐車場は無料です。1000台くらいだそうです。
 積雪は上部にわずかに滑走できる場所があるだけで、あとは全くいけません。
リフトが無料開放されているので、みんな見物に来ていました。地元のみなさん
でしょうか。やけにアットホームな雰囲気が漂っています。
 センターはよくできています。地下には、休憩所がありましたし、食堂はアラ
カルト方式で、値段はあんなところでしょう。味はこれからだと思いますが、そ
んなに期待するほどでもないと思います。レンタルスキーやボードが充実してい
るので、そういう人にはいいですね。ファンスキーも貸しています。やってみた
いなと思います。半日で2000円です。靴をもっていかないといけないです
ね。
 ファンスキーは最近、ヒールが上がるものやシールまであるようです。スノー
シューよりもユーティリティが高そうでちょっと注目しています。
 インフォメーションには若いお姉さんがいるので、何でも質問したくなりま
す。
 ゲレンデは、子供連れにはきついかな、というところです。多くのゲレンデが
中級バーンでコース幅が広くないので、ボードとスキーの共存をどんな風に行う
のか、運営が見ものです。レイアウトはよくできていると思います。久くんの直
前情報でテレマークで滑れるのだろうか、という話がありましたが、なるほど
ちょっと不安です。
 リフトで上部に上がると、勤務先に営業に来ておられた後藤雅宏さんがすぐに
ボクの姿を見つけて声をかけてくださいました。よく覚えておられるものです。
一応の顔つなぎができました。団体の場合には、料金など相談させてくれという
ことです。
 山頂部からは火打が目の前にあるようですが、ピークは隠れていました。火
打、焼山、大毛無山、裏に妙高と、なかなかの景観ですね。 
 山頂のログハウスでコーヒーを飲みましたが、エスプレッソでした。わりに飲
めましたね。5メートルや6メートル積もるそうですから、ログからの景観も今
の時期ならではというところですね。
 後藤さんと話していたら、パウダーゲレンデを計画的に設定するそうです。山
頂からの一部と、西側の尾根からの下りに設定するそうです。これは結構楽しみ
だと思います。
 山を下りてから柵口温泉でひと風呂。入浴料は310円。柔らかい炭酸水素含
食塩泉(推定)で、気持ちよく温まります。背中のきれいな人とそのお友達が入
浴していました。そういうクルマは見あたらなかったんだがなあ。
 風呂上がりにお蕎麦をと思ったら、「よってきなえや」というそば屋が3時ま
でで終わっていました。おいしいのですが、食べるときには時間に気を付けない
といけないですね。結局、糸魚川まで戻って、「ファリオ」でスパゲティを食べ
て帰宅。
 そのまま、「川の絵本」の会合へ。
 23日のツアーは、場所について悩むところです。代替地点を考えておく必要
がありそうです。白馬か、志賀しかないんですが。
 シャルマンはシーサイドとはまた違ったバリエーションをもったスキー場で
す。楽しみが広がったんじゃないでしょうか。
 
本村雅宏(ほんむら・まさひろ)
  pec01341@nifty.ne.jp
    白馬山麓@富山

@1998年12月23日(水)天皇誕生日 テレマーク練習会+スノーボード

 予定していたシャルマン火打の積雪不良のために、直前までインターネットな
どを利用して情報を集めた結果、妙高エリアの関温泉スキー場に変更しました。
小さなスキー場ですが積雪量の多さは群を抜いている場所で、5メートル程度の
積雪も珍しくありません。
 参加者は、テレマーカー6名、ボーダー1名の計7名。テレマーカーは、全員
が違うシステムの板を履いているという念の入れようで、交換して履き比べるほ
どではなかったのですが、それぞれのシステムの特性我欲わかりましたし、各々
の課題が明確になった練習会でした。
 講習会ではなく、練習会というのが微妙でしたが、まさしくみんなでいろいろ
考えて滑ってみました。今回は、テレマーク部長によるビデオ撮影もありました
ので、そのうちに編集して、みんなで笑いたいと思います。大和さんの転倒シー
ンは「クラッシュ!」と字幕を入れたいくらいでした。
 技術解説を運動神経を使わず大脳で滑るテレマーカーを自称する本村さんにお
願いしました。

 重要な基本練習としてまず平地でのテレマークポジションの確認があります。
両足で踏んでいることと、後足のアキレス腱が伸びないように、土踏まずより前
全体でスキーを踏みしめる感じでやってみましょう。続いて、直滑降でのテレ
マークポジションです。足を入れ替えながらやってみましょう。、深く浅く、立
ち上がり、ジャンプ、コサックとバリエーションを付けましょう。そして、山回
りです。特に、板を振り回さず、板のカーブに忠実に、ゆっくり踏み込み加重す
ることが望まれます。山回りで停止したときに最大の荷重になっているように考
えましょう。右左としつこく練習しましょう。きれいなベンドを描くように注意
しましょう。これらの条件をよく満たして滑っているのは、テレマーク部長能登
忍さんです。歩きに向いた靴とステップ付きの板で見事なテレマークを披露して
います。先日、カービングの板を入手されましたので、デモンストレーションが
楽しみです。
 これらの基本は毎回滑走前に確かめるといいでしょう。他にも、スケーティン
グや木の葉落としなど思いついたときに練習してみましょう

「風のたより」はみなさんからの原稿で成り立っています。お願いされた人は必ず(笑)、そうでない人もどんどん原稿をお寄せください。会の企画にかかわらず、みなさんの雑感や文学、散文、詩、俳句、短歌などジャンルや内容を問いません。原稿は電子メールかファックスで。事務局か、編集部、まで。毎月20日を締め切りにしていますが、随時受け付けています。

会員の村上さんがホームページを開きました。風呂式関連のコンテンツもあり ます。urlは以下の通りです。とてもきれいなものです。どうぞ、ご覧くださ い。http://member.nifty.ne.jp/mura_h/furo.htm

editor's line

毎年そうなのだが、暮れの編集作業はやけにしんどい。今回は、原稿がなくて、本村さんにずいぶん依存した。画像がないのがどうも寂しい。みなさんの写真やその他の画像を求めます。新年になるまでに、自前のホームページを持つつもりだったが、すっかり村上さんに先を越されてしまった。何でも、周回遅れでやっている。ま、それも自分らしいか。

(裸石)

初めて自分のテレマークをビデオで見る。あんまりテレマークらしくなくてがっかり。練習しよう。

(本村)

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