山川野遊び風呂式とは

 山川野遊び風呂式(やまかわのあそび・ふろしき)は、四季を通じて、豊かで険しい山を歩き、清冽な川に戯れ、折々の野を逍遥する人々の集まりです。

 主なフィールドは、富山県東部を中心として、新潟県、長野県、石川県、岐阜県に及びます。低山から高山帯のトレッキングや沢登り、渓流と沿岸のフライフィッシング、ライトツーリングから山スキーまでのテレマークスキー、雪の野を歩くクロスカントリースキー、初級のフリークライミング、MTBツアー、ネイチャーゲームや自然体験活動のプロデュースなどによるネイチャリング活動、ジュニア対象のキャンピングなど年間40から50の企画を通して、自然を感じ、味わい、語らい、学んでいます。
(こんな企画があります)

 いくつか紹介しましょう。

※トレッキング

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 まず、トレッキングでは、季節や年齢、経験に合わせて幅広い企画を設定しています。毎年恒例になった晩秋から初秋にかけての海谷トレッキング。海谷は、新潟県海川上流の海谷渓谷のことです。安山岩の岩壁が厳しくも美しい千丈が岳、ミニ上高地の送り名のある732高地、明るいブナ林など、平坦な谷沿いのルートは、その景観の割に、誰にでも容易に山岳気分が楽しめるほど歩きやすく、トレッキング初心者の入門コースとして、私たちの仲間を増やしてきました。

 トレッキングとフライフィッシングを組み合わせた企画も行われています。昨年、今年と好評だったのが、祐延貯水池へのキャンプ釣行です。歩いてアプローチして、釣りプラス東笠山へ沢伝いに登りました。次回は、本格的な沢登りと釣りを組み合わせてみたいと思っています。

 恒例の新年会を兼ねた南保富士(なんぼふじ)トレッキングでは、スキーとかんじきを組み合わせて、富山平野の東の展望台からの景観を楽しみます。沿岸に近い平野部からスタートしてスキーを使って登山口に取り付きます。そこからは、かんじきを使いますが、97年の企画では、中学2年生が山頂に立ちました。下山後は、山腹にある三峯(みつぼ)スキー場の管理棟で宿泊します。

 今年の新年会では、夜半になって三峯のスロープで遊び、さらに林道をスキーで下山するものが現れました。どうやら、辻まことの文章に憧れるものらしいのです。星明かりのスキーツーリングは危険も大きくなりますが、ふだんと違った山の表情に新しい感覚をつかむことができました。


※フライフィッシング

 フライフィッシングは、月2回のフライフィッシング教室が中心になっています。フライタイイングを中心にして、フライフィッシングに関するよもやまを雑駁に話しています。子どものためのフライフィッシング教室も特設されることもあります。フィールドでのフライフィッシング教室も時々に行われ、春先のミッジングから、盛期のマッチ・ザ・ハッチ、夏場のテレストリアル、秋の大物狙いのウェットまで季節に応じたフライフィッシングの楽しみを提供しています。会員のオリジナル「ヤマトイワナ」はこの教室で紹介され広がった傑作フライです。

 このフライフィッシング教室には、96年6月に田代忠之、法之さん兄弟をお迎えして、地元の子どもたちにフライフィッシングの楽しみを教えていただきました。

 最近では、海のフライフィッシングにも手掛け、試行錯誤を繰り返しながら、ショアからのフライフィッシングを研究しています。また、どれだけ小さい魚が釣れるかというメダカ釣りも始めました。 97年11月にメダカ釣り大会「メダカマニア」が行われ、現在初代メダカ王が認定されています。会員は無料ですが、ギャランティーを支払うことで、ビジターでも認定の資格が与えられます。

 なお、会員の本村雅宏(ほんむら・まさひろ)が、『フライの雑誌』(フライの雑誌社)で、「子どものフライフィッシング」を執筆しています。どうぞ機会があればご覧ください。

※テレマークスキー・クロスカントリースキー

 テレマークスキーは、クロスカントリースキーに近い野のテレマークから、ゲレンデを使ったリフトテレマーク、山スキーのエリアでの本格的なテレマークまで、いくつかの企画を行っています。一般的には手に入りにくい道具ですが、事務局でもあるスポーツヤマトがテレマークスキーを扱っているために、用具の知識や会員からのレポートによるフィードバックが充実してきました。会員にもずいぶん愛好者が増え、新年会では三峯スキー場(リフトはありません)を利用して「三峯テレマキア大会」の開催を予定しています。遊びながらの、クラシカルでノスタルジックな競走を考えています。お楽しみに。

 クロスカントリースキーでは、富山県朝日町近郊のクロスカントリースキーコースの設定を兼ねたツーリングが活発です。最近、書籍でも紹介されている富山県朝日町棚山(たなやま)や宇奈月町黒部市にまたがる新川牧場(にいかわ・ぼくじょう)コースが定番のルートですが、2時間程度のミニツアールートもいくつか開発しました。アルペンスキーが盛んで、このあたりではフィールドのわりに愛好者の少なかったクロスカントリースキーですが、ツアーやスキー教室などの開催によって、このスキーの楽しみを知る人が増えています。毎年、12月第一日曜日がスキー始めのクロスカントリースキーツアーです。新潟県小谷村小谷温泉から鎌池方面です。

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※フリークライミング・MTBなど

 フリークライミングでは、人工壁を使った初級講座が好評です。そうして体験した人の中から既にフリークライミングにはまった人もあります。サイズ調整のできるハーネスを用意して、どんな方にも体験していただけるよう充実を図っています。

 MTBは、お手軽なツアーを行っています。黒部川扇状地周回コースは、山川野遊び風呂式が開拓したコースとして、何回かのツーリングで使われています。

※ジュニア活動・ネイチャリング

 ジュニア活動は、山川野遊び風呂式の特徴です。高校生以下のジュニア会員は、年会費を無料、企画の参加費も大幅に免除されています。これは、自然を楽しみ、山川野に遊ぶ体験をできるだけサポートすることで、豊かな自然と自然体験をできるだけ幅広い世代でわかち合っていこうとする意図があります。子どもの姿に、どこか自分たちがたどってきた道筋と未来を見出すことがあり、ジュニア活動を自分自身のボランティアと考えている会員もあります。夏休みには恒例のジュニアキャンプを行って、ジュニア会員相互の交流の場を設けています。

 こうしたジュニア活動から、ネイチャリング活動のお手伝いをさせていただくこともでてきました。地元の小学校や生涯学習の現場で、自然体験活動のプロデュースに山川野遊び風呂式のノウハウを提供してきました。最近、さかんになってきたエコツーリズムの発想と山川野遊びの企画の類似性を見出すことはそう困難ではありません。

(新しい遊びへ)

 このように山川野遊び風呂式では、単一の遊びではなく、自然に向き合うデバイスとしていくつかの遊びを取り入れています。それぞれが組み合わさった活動も多く、さらに、新しい遊び、例えば、スノーボードやエコツーリズムなどを会員の意志によって導入することも考えられています。


(会員の参加は)

 すべての企画が、会員ばかりでなく、ビジターと呼ばれる会員以外の方にも開放されており、ビジターから会員になられた方も少なくありません。現在、会員の公募は行っていませんが、口コミなどで少しずつ会員の輪は広がっています。しかし、年間に40以上もある企画全部に参加する方はそうそういるわけでもなく、会員には企画への参加義務はありませんから、自分の都合に合わせてぼちぼち参加していただいています。

(年会費・参加費)

 年会費は、8000円(高校生以下、会員の同居家族無料、本人分の保険代含む)。会計年度は、5月から翌年4月までです。企画ごとに、別に参加費(無料から4000円程度。平均1000円)をいただいています。海谷トレッキングを例にとると、会員は1000円、ビジター1500円、ジュニアは会員、ビジターにかかわらず無料です。分乗するクルマを提供していただいた方にはクルマ代を、参加者分の昼食の副食(鍋)とビールやジュースなどの飲み物やおやつを提供しています。毎月のフライフィッシング教室は、マテリアル使い放題で会員無料、ビジター1000円です。

(会報「風のたより」・風呂式ギルド)

 会員には、毎月翌月の企画と会報「風のたより」が送られています。会員は山川野遊び企画の参加費が免除されたり割り引きになるほか、風呂式ギルドが管理する山川野遊び用品の無料貸し出しを受けることができます。テントや大型バーナー、鍋、コッヘル、ランタン、タープなどのキャンピング用品のほか、ロープ、ハーネス、フライフィッシング用品、ジュニア用品、ビデオ書籍、救急用具、自然観察用具などが整えられています。フライフィッシング用品では、山川野遊び風呂式用に組み上げられたロッドを貸し出しているほか、ジュニア用ロッドを製作し、ジュニア会員に貸与しています。会費や予算外収入などで、備品は少しずつ充実してきました。初期備品がおおよそ完備した1996年度から年会費を現在の金額に値下げしました。

(風呂式鍋)

 山川野遊び企画でしばしば登場するキムチチャンコ「風呂式鍋」は名物となっており、激烈な辛味と四季の食材を生かした特徴ある味は、参加者の愉しみの一つになっています。ほとんどの企画で風呂式鍋を賞味できますが、最近飽きてきたという話がちらほらでていますので、新しいメニューを考案中です。

(お問い合わせ先)

山川野遊び風呂式に関するお問い合わせは、

E-Mail  yamato@noasobi.net まで。
 
山川野遊び風呂式広報部製作

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